生前贈与で起こりやすいトラブル
生前贈与は、財産を保有者が生きている間に贈与することをいいます。
将来相続が発生した際に、相続税の対象となる財産を事前に減らしておくことができるため、相続対策として有効なものです。
しかし、この生前贈与もいくつかの注意点に留意し適切に行わなければ、ざまざまな法律関係から思わぬトラブルが生じることがあります。
■生前贈与の現金手渡し
そもそも、贈与を行う場合にも年間110万円以上であれば、贈与税という税金を支払う必要があります。
この贈与税は申告して納付するものなので、現金を手渡し贈与した場合、記録が残らず、うまくいけば贈与税の納付を免れることができるように感じます。
しかし、これは脱税であり、適正な納税は国民の義務です。申告を怠ったとされれば追徴税を課せられて思わぬ出費を招くこともあります。
そのため、贈与の方法を問わず贈与契約書を作成して記録を残し、必要があれば申告・納税をするようにしましょう。
また、暦年贈与という方法を用いることで贈与税を納税せずに済む方法もあります。
暦年贈与とは、基礎控除枠を利用して贈与税が課税されないように、生前贈与を行うことをいいます。
通常、贈与を行った際には贈与税がかかりますが、年間110万円を超えない贈与については基礎控除枠に当てはまるために、課税がされません。
例えば10年間毎年110万円ずつ贈与をおこなえば結果として1100万円の贈与について贈与税がかからないということになります。
また、遺産の総額を減らすことができるため相続対策にもなります。
ただ近年この暦年贈与については見直しの議論が本格化しており今後の動向は注意を払う必要があります。
■遺留分の侵害
相続人の中には、最低限の相続分である遺留分が認められる地位に当たる人がいます。
生前贈与を受けた財産のうちで、遺留分を侵害する財産と認められたものがあれば、別の相続人から遺留分侵害額請求を受けることがあります。
そのため、生前贈与を行う際には、相続人の遺留分が侵害されていないかを考慮するとよいでしょう。
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