遺言書の開封方法
■遺言書を発見したら
あなたの身内の方、大切な方が亡くなった後、その方の遺言書を発見したと想定しましょう。まず、発見した遺言書を見て、あなたはどうするでしょうか。
法律上では、遺言書を発見しても中身を勝手に見てはいけないことになっています。そのため、いくら中身を確認したくても、勝手に開封することはできません。中身を確認するための制度がきちんと整っており、家庭裁判所において「検認」という形で行われています。それでは、この検認について詳しく確認していきましょう。
●家庭裁判所での検認とは
検認とは、相続人に対して遺言の存在や遺言の具体的な内容を知らせるための手続きです。検認を行った日の時点での遺言書の内容を明確にすることで、中身を偽造したり変造したりすることを防止します。
検認を受けるためには、家庭裁判所に遺言書を持参し、検認をするための申立てをします。申立てをする際に必要な書類は、申立書や遺言者の戸籍謄本、そして相続人全員の戸籍謄本などが必要となります。申立てに必要な費用は、遺言書1通につき、収入印紙代800円分となっています。その他、郵便切手代などがかかることもあります。
●遺言書の取り扱いに関する基本ルール
ここまで遺言書について解説してきましたが、再度遺言書を取り扱う際の基本ルールについて確認していきましょう。
まず、最も基本的なルールは、「遺言書を発見した場合に勝手に開封してはいけない」というものです。もし勝手に開封した場合、5万円以下の過料が課せられる場合があります。そして、未開封のまま家庭裁判所に持参して、検認をしてもらうことも基本ルールの1つです。これらのルールは、法律上決まっていることであり、民法の1004条1項に定められています。
もし、勝手に遺言書を開封してしまったらどうなるのでしょうか。単に開封してしまっただけであれば、遺言書の効力そのものは、失われません。しかし、開封するだけにとどまらず、遺言書の中身を書き換えてしまったり、遺言書を隠したり捨てたりしてしまった場合には、その人は相続人としての資格を失います。つまり、相続人ではなくなり、財産を受け取る権利を失うということです。
加藤司法書士法務事務所では、遺言書に関するご相談を承っております。遺言作成に関するお悩みも、幅広く受け付けております。お客様のお悩みに対して、最善の解決策をご提案をさせていただきます。お困りの際には、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。